個人情報戦争

現在ひそかに(?)繰り広げられている戦争、それはテロではなく、個人情報を守る戦争です。
なんて大げさですが、イギリス大手の電話会社BTがphormという会社を使って、BTのブロードバンドサービスを使う顧客のインターネット情報をユーザーに「黙って」入手していたことが問題になっています。
(この会社を使っているのはBTだけではなく、virgin、TalkTalkも同様)


このphormという会社、広告と個人情報(プライバシー)に関するサービスを提供している会社なのですが、やり方がちょっと?って感じらしい。
誰がどんなウェブサイトを見たりしているかによって、その個人個人をターゲットにした広告を表示する、というやり方が特に議論を呼んでいます。


phormとともに槍玉にあがっているのはBT。
phormと提携して各ユーザーがネットサーフィンをしている内容を黙って調べていたということ。
つまり、誰がどんなウェブサイトを閲覧しているか、という情報を勝手に収集していたのです。


これに対して、この行為は違法であり、phormの使っているトラッキングシステムはスパイウェア(もしくはアドウェア)とみなしてよい、とする考え方が一般的ですが、会社側としては、これは「サービス」であり、どんなウェブサイトにアクセスされているかという情報を収集することで、フィッシングサイトなどの情報も集められ、phormのサービスを受けることによって、ユーザーがもしそう言うサイトにアクセスした場合、警告を発する、というようなサービスも行っている、といっています。
実際、日本語の関連サイトを検索したら、それについて言及されているニュースサイトに当たりました。
多分実際関係ないからだとは思いますが、英語サイトですとこういうニュースは出てこないんですよね。ひたすら、phormという会社とBTの問題についてがほとんどです(トップヒットはphormという会社自体のウェブサイトですが)。
こうやって見ると、害はない様に見えますねえ。面白い。


この議論に対し、イギリス当局は「ユーザーに選択肢を与えるべき、ユーザーが承認すれば違法ではない」という見方を取っているようです。
つまり、ユーザーが会社から「うちら、君んちの情報見るけど、いいよね?」といわれて「うん」といえばオッケー、と。
その承認プロセスがなかったため、BTの行為は違法である、というわけです。


BTの行為が明るみにでたとき、BTは最初これは違法ではないといっていましたが、今ではこれは単なる試行調査で、ユーザーからの依頼があれば調査からはずされるように手配できる(opt-outできる)といっています。
そう言う問題じゃないだろ、って感じがしないでもないですが。
さらに、こういう調査がされていたこと自体hush-hush(秘密)だったらしく、BT内部でも「そんなの知らなかった」という声が上がっており、今BTはがけっぷち!(笑)


phormからユーザーの個人情報、プライバシーを守るための団体ができているそうです。
デモンストレーションがロンドンで行われたとかされるとか。メンバーには上院議員や科学者もいるんだそう。
あちこちのフォーラムでスレッドが出ています。


追加すると、googleなんかも実は似たようなことやってるんだよねー。
検索する内容に沿って広告を出したり、その情報を保存してたり。誰がどんな検索をしているか、24ヶ月間保存しているんだそう。
それについての情報は
個人情報を守るって大変です。


phormについての情報(英語です)
wikipedia
Badphorm
ICO (Information Commissioner's Office)
BT, Webwise and Phorm: What you need to know
BBC: questions answered (会社Phormが質問に答えています)


googleについての情報
BBC: Google queried on privacy policy