Slumdog Millionaire

ダニーボイルの新しい映画です。
前作のSunshineはきれいだったけど、ちょーっと凡作だったので、今回に期待。

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とってもパワフルな映画でした。
インド、という舞台自体にパワーを感じます。
エンドロールを見て気づきましたが、本が原作のようです。


主人公はジャマル(Jamal)というインドはムンバイのスラム育ちの男の子なんですが、実際は彼と彼の兄のサミルと、やはり孤児のラティカの3人でしょうね。
三銃士の引き合いがあちこちに出てくるし。


ジャマルとサミルの兄弟はスラム街に住んでる以外は、割と普通の子供だったのですが、ある日宗教関連の暴動に巻き込まれ、母親を殺され、その日から孤児として生活を始めます。
同じように孤児になってしまったラティカとそのとき知り合い、生活をともにしていきます。


やがて彼らは貧乏であるがゆえ、孤児であるがゆえに裏の道へと引き込まれ、とにかくいろんなことをしてその日を暮らしていきます。


ある日を境に3人はばらばらになり...。
成長したジャマルは、カスタマーサービスでアシスタントとして働き始め、ひょんなことからクイズミリオネア(who wants to be a millionaire)に参加することに。


スラム街出身で、教育もろくに受けていないのにとんとん拍子で突き進む彼は、最高賞金2千万ルピーを目の前に、ズルを疑われ警察に突き出されます。
果たして彼は本当にずるをしたのか。


スタートは同じだったのに、それぞれの人生を歩んだ3人。
兄弟なのに、まったく違う二人。
ジャマルの変な純真さ、ナイーブさにはなんだか頭が下がります。


そして、ああいう生活を強いられてしまったけど、それなりに生きた3人。
3人の中で一番苦労したのは、多分ラティカだろうと思う。多分ある意味一番つらい選択をしなければいけなかったのも彼女。多分それは彼女が女だからなんだろうな。


私たちの知っている現実とかけ離れた世界を想像することしかできないから、どうしても客観的にしか見れないけど、とてもパワフルな映画でした。


同時にダニーボイル映画特有のしゃれも見られて、それほど思い映画にならずにすんでいたように思います。
音楽もよかったなあ。インドっぽい感じなんだけど、とってもアップビートで。
インド人が見るとどう思うのかな、と思わないでもなかったけど。


最後のエンドロールもよかったです。最後まで見てね。


最後の最後にひとつだけ思ったのは、クイズの最後の問題、一番難しい問題にしては難度がいまいち?って気がするんだけど。
私だけかな。