The Road

本が原作で、確かすごく話題になった一冊だったかと思います。
(とか言って読んでないんだけど。笑)


舞台は、天変地異か何かで世界ががたがたに崩れてしまったアメリカ。
人口はがくっと減り、いつも雨が降って暗く、重く雲がたれていて、生物は何も育たない状況。生き残った人たちはその日の食べ物にも事欠く生活。
そのため、人が人を食べることを厭わなくなってしまった世界。


そんな中、父と子の親子が二人、必死で旅をしている。
どこから来て、いったいどこへ向かっているのかははっきりしない。
唯一わかっているのは南へ向かっているということだけ。
二人の名前すらわからない。


フラッシュバックのように、時折見せる父親の記憶から、何が起こったのか、何が起こっているのかを想像するしかない。


すでに終末を迎えてしまったかのように思える世界において、父親にとって唯一の希望は息子。
彼は、自分の息子である、という以上に、子供に何かを託していたようですが、そのあたりは映画でははっきりとはわかりませんでした。


ただ、ああいう世界において生き残っていくのに必要なだけの知識や、ある意味の狡さ、生活力みたいなものは託されてなかったような。
どちらかというと異常なほど過保護に見えました。守ることだけが第一、みたいな。
息子自身もそれに答えるかのような頼りなさ。
でも、その純粋さがああいう世界において際立った気もします。


全体を通していろんなところに少しずつ不満が残るんですけど(例えば、なぜ安全と思われる家を離れて旅をしなければいけなかったのか、等)、一番大きな「テーマ」とか意味みたいなものは、ずっしり感じられました。
とにかく、自分がこういう状況だったらどうしてるだろう、と。


父親役がすばらしかったです。
悲惨さ、絶望と希望、あんなにやせ細っても失わない意志の強さと活力。
でも、父親のキャラが強烈なだけに、他の役がちょっと弱くなってしまった気もしますが(特に悪役側)。


テーマはよかったけど、細かい点でちょっと残念、が全体的な感想かな。