最近読んで面白かった本(英語)

ここ1年くらい、図書館で英語の本を借りて読んでいます。

英語の本ってなぜかこう、アンテナが働かないというか、本屋さんに行ってもどの本が面白いのか見当もつかなくて、こちらでは本は安いものではないし、買うのをためらっていました。
そうするとやはり本を読む機会がない。

で、今の会社に移ってから、せっかく市の中心部に近いのだから図書館を利用しよう!と思いつきました。
住んでる町にも図書館があるのですが、働いているとどうしても週末しかいけないし、うちからだと車でないといけない距離なので、面倒くさくなってしまっていかなそうだな、と(笑)。
自分の事はよく知ってるので(笑)

今利用しているリーズの図書館では、カタログがオンラインにあるので、事前に面白そうな本を選んでおいて、その中から1,2冊、空きがあるものから借りて読んでいます。
人気の本はなかなか借りれないみたいで、予約はできるみたいなのですが、お金がかかるのと、そこまでして、って感じじゃないのと、自分のペースを乱されるのがいやなので、単純に待つことにしています。

で、今まで読んだ中で、面白かった本を紹介しようかなと。
順番は適当です。

「Her fearful symmetry」
Audrey Niffeneger

Time travellers wifeを書いた人の作品で、今度の舞台はロンドンとアメリカです。
書評とかでは、結構厳しい事を書かれているものもあったのですが、私は面白いと思いました。
アメリカに住む双子の姉妹が主人公なのですが、母親もまた双子で、その片割れはロンドンに住んでいて、死に当たって遺言で姪に当たるその双子にロンドンのアパート(フラット)を残すところから話が始まります。
とてもユニークな設定、秘密めいた過去、墓地。
ありえない、と思うかもしれないたくさんのことが、さらっと入ってくるのはこの人の技量なのかな、と思います。

面白かったです。


「The night circus」
Erin Morgenstern

この本は上のAudreyと傾向が似ているかも。
ちょっとファンタジーなんですが、ちょっとだけ、というのが肝。
幻想的で、本なのにとってもビジュアル的。
映画にしたら絶対受けそう。

この本は評判よかったのですが、納得です。


「The Illumination」
Kevin Brockmeier

ある日突然、痛みが可視化する。しかも光るという方法で。
ストーリーの核となる発想はとても変わっていますが、実際はそれがメインというよりは、それはきっかけにしか過ぎず、物語はある一冊の手帳が一人の女性に託されたことから始まります。
その手帳をめぐっていろんな物語が…。
始まりも終わりも割りと唐突って感じで、結論などないタイプの物語ですが、すごく面白かったです。

特に、キーとなる手帳。ある夫婦のだんなさんが、毎日ひとつ、付箋に「君のこういうところが好きだ」と書いて冷蔵庫に貼っておくのです。
奥さんはそれを手帳に毎日書き写していく。
それが一つ一つ、たわいのないことなのですが、とても素敵で、じんと来るんです。
こういう風な関係っていいな、って思えるような。

それだけでもこの本を読む価値あり、です。


「The coincidence engine」
Sam Leith

偶然を発生させることができる装置が盗まれた!
偶然でこんなことが起こるわけがない、まさかの出来事を起こすことができる機会、偶然発生器とは一体何なのか?

それを巡って、ほんとにしっちゃかめっちゃかの冒険が始まります。
すごく強引なようで、でも納得しちゃうという、豪快な物語でした(笑)。


「The coma」
Alex Garland

映画にもなったビーチを書いた作者の作品で、ある事件から意識不明になったはずの主人公の夢とも現実ともつかない、不思議な話。
短いので、さくっと読めます。
読み終わって、首をかしげるような、不思議な感覚になる話でした。


「Torture the artist」
Joey Goebel

すべての芸術家は不幸でなければならない。
すばらしい芸術を生むには芸術家は幸福であってはならない、という信念を元に、くだらない音楽、映画、本が氾濫した世の中に真の芸術をもたらそうと設立されたアカデミーに通う、ビンセントと彼のマネージャーのお話。
悲しいようで可笑しいというか、なぜか暗くならず、ジョークは忘れていない文体で面白く読めました。

はて、こういう作品を書く作者は果たして幸せだったのかな?


「If you are reading this, I am already dead」
Andrew Nicoll

今読んでいるところなのですが、面白いです。
サーカスで働くアクロバット曲芸師のオットーは、その昔アルバニアの王様だった!
第2次世界大戦のさなか、空襲を受け空が燃えるブダペストでオットーが、つづる、彼の過去。
読み手は、誰なのかわからないが、「あなたがこれを読むころには、私はすでに死んでいるだろう」という、常套句を言いたいがために、書き始めた自伝。

ユーモアたっぷりでひねりの聞いた文章が愉快です。
最後がどうなるのか、とっても楽しみ。


次に読みたいなと思っているのは、Cloud AtlasとStarter for tenかな。