The Visitor
久しぶりに映画。
相方が違う町で働くようになってから映画にいく回数が減ってしまった。
リーズもヨークもあんまりいい独立系ミニシアターがないのよね。
ミニシアターの癖に大手の映画をかけたりするから意味ないってば。
愚痴はこれくらいにして。
映画自体は私の立場から言って、とても身につまされるというか他人事とは思えない映画でした。
コネチカットで教鞭をとり、本を3冊書いたウォルターは生まれ育ったニューヨークでの学会に出席するため、25年ぶりにずっとほったらかしだったアパートへ戻ります。
鍵を開けて入ると、家には外国人カップルが住んでいました。
ひょんなことからシリアからやってきたタレックとセネガル出身のザイナブと一緒に住み始めたウォルター。
なかなか打ち解けないザイナブをよそにタレックは持ち前の人懐こさからウォルターと親しくなっていきます。
二人をより強く結びつけたのは、太鼓。
なくなった妻がピアノ奏者で自身もピアノを習おうとして失敗していたウォルターは太鼓の魅力に引き込まれていきます。
そんなある日、ある勘違いからタレックが逮捕され、実は彼は違法滞在者であったことが判明。
違法滞在者として拘留されてしまいます。最悪国外追放。
そんな時、ウォルターをたずねて彼の母親がニューヨークへやってきます...。
アメリカという国、自由というコンセプト。
外国に住むということ。外国で外国人であるということ。
違法って何、自由って何、なんてどっぷり考えてしまいます。
音楽もこの映画の大きな要素になっています。
文化とかそう言うものが、国境を越えられるもの、ほんとに「自由」なものかなー、なんて思ったり。
違法滞在者としてタレックが拘留されているセンターで働く人がみな白人ではなかったのが印象的でした。
皮肉というかなんというか。
彼の釈放のためにウォルターが雇った弁護士も元移民。
持つものと持たざるもの(グリーンカード)。
紙切れ一枚が運命を決める。
それより以前に、生まれた土地、生まれた国が人生のほとんどを決定する。
この映画のキャッチコピーは「connection is everything(つながりがすべて)」だそうですが、私にはそれ以外のものが大きく写りました。
確かに、彼らは出会ったことで(connectionを持ったことで)、人生が大きく変わった。
でも、私がこの映画にちょっと違うものを見ているのは私の立場のせいなんでしょうね。
印象深い映画です。